渓と波止

岩魚釣りと防波堤釣り、あと、ちょこっと日常の事。

渓(ヤマ)釣り起源ー4

パソコンも無く、ネット未発達の時代、

古文書みたいな古いガイドブックの情報を地形図に落とし込み、穴の開くほど読み込んで、勇んで現地に臨みました。


しかし、どの世界にも先達は居るもので、私達が行く先々で釣り人の痕跡が散見されました。

『こんな山奥で?!』と思う様な場所で釣り人に出会ってビックリしたものでした。



半ば登山者の様な装備で人里遥かに離れた山中を岩魚を求めて釣り歩く、

『山釣り』と呼ばれる源流(イワナ)釣りの文化(スタイル)が昔から面々と続いていた事を、その頃の私達はやっと知る事になりました。

渓(ヤマ)釣り起源ー3

本来渓流釣りは、

釣れる魚が天然物か放流物かに関わらず、フィールドとなるのは概ね河川の上流部です。


落差が少なく、ゆったりと流れる部分(本流)から、

大小の岩と滝を配した落差の激しい部分(源流)へと、グラデーション的に変化します。


恥ずかしながら、

この当時まで私達は、里川(本流)での釣りしか知らず、

その先(源流)は未開の地だ、という程度の見識でした。


要するに、

源流部分に側道(林道)が付いていない事自体が、釣り場として対象外の理由と言えました。


特に鈴鹿は、最源流まで側道の付いていない本支流がまだまだ少なからず残っていました。


私達が求めるフィールドが、上流に数多く眠っている!



愚かにも、

やっとその事に気付いて、

私達は国土地理院2万5000分の1地形図に首っ引きとなりました。

渓(ヤマ)釣り起源ー2

私達が先ず考えたのは、

『不便なのが逆に良いのでは??』

と言う事でした。


車を停めて直ぐ入川出来る様なお手軽なロケーションでは、他者との競合を避けられません。


ならば、車止めから先に側道の無い川筋を遡行してから竿を出せば、後追いに追い付かれず、或いは、先を越される事も無いのではないか、と考えたのです。


時間的な障害が、釣り場と渓魚を守っている筈だ、という期待を持ったのです。