その頃の私達にとって、
釣行と言えば、シーズン中に数回、北陸や北アの『山岳渓流』へと遠征する事を指す様になっていました。
そして、幕営(キャンプ)は本来の目的を離れ、『遠方の渓を攻める為』の一手段となりました。
毎回時間をかけて綿密な計画を立て、装備と食糧の分担を明確にしなければなりません。特に山岳地帯の渓の場合は様々の危険性を考慮しますので、装備も多岐に渡って多くなります。
又、分担制によって計画やメンバー構成に柔軟性が無くなり、非常にストレスの掛かるものになってしまいました。
その様な趣味が長続きする筈も無く、やがて考え方の相違が露見するに至り、活動を止めざるを得なくなりました。
趣味本来の癒しやリラックス効果、気分転換の効用を蔑ろにして、
そもそも釣り人である私達が、合理的な登山パーティーの真似事の様な行動様式を漫然と取り入れた当然の結果なのでしょう。